【書籍】「まやかしだらけのプライベートブランド」を読んで
PB(プライベート・ブランド)の歴史を振り返りながら、品質管理を徹底するイオンを軸に話が進むノンフィクション。
メーカーや消費者に対する姿勢について勉強になりました。ひとつひとつの商品開発において、リスクを最小限にするために徹底的にメーカーに要望し、品質を管理する。当たり前ですが大事なことですね。
また、PB商品のラベル表示について、
(タイプA)製造者としてメーカー名のみ表示
(タイプB)販売者としてメーカー名のみ表示
(タイプC)販売者としてメーカー名を表示。加えて製造者を製造所固有記号で表示
(タイプD)販売者としてスーパー名のみ表示
と違いがあることを解説。加えて、
実はPBの先駆者であるイギリス、フランス、ドイツを含めたヨーロッパ各国、さらにアメリカ、カナダの小売業では、PBについて、「ブランドの所有者、つまり販売者(小売業)が全責任を負わなければならない」という認識が通底している。
したがって、本来PBには販売者のみが表示されるべきで、メーカー名が表示されているのはおかしい。
(中略)
つまり、PB先進国の定義に照らし合わせるのならば、(タイプD)のみが正道で、(タイプA)(タイプB)(タイプC)はすべて邪道と切り捨てられてしまうことになる。
とのこと。
実は私、イオンのPB商品の表示を見ても、メーカー名が分からないので、逆に不安に感じることが多かったのですよ。これどこが作ってるんだろう。イオンは、消費者はそんな心配せずとも大丈夫、イオンがすべての責任を負うんですという姿勢だけども、NB品を作ってる有名な会社の名前が印字されていた方が安心しちゃうんです。イオンが責任を負ってくれるから安心だ、と考える消費者ってどれくらいいるのか知りたいですね。
それから、2017年度のトップバリュの売上高は7271億円。セブンプレミアムは1兆3200円とかなりの差が出てきていて、2009年に執筆された時点から様相が変わっているものと思います。セブンプレミアムや海外の最新のPBの動向についても知りたくなりました。