書くと寿命が百日延びるブログ

そのブログは、記事を1つ書くと寿命が百日延びるという。

【書籍】「天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々」を読んで。

「天才たちの日課」という邦題*1ですが、クリエイターたち、特に文筆家や芸術家の方々の日々の習慣をダイジェストで紹介してくれています。その数なんと161名にも及びます。よくぞここまで集めたものです。

訳者あとがきに傾向がまとまっています。

仕事に関しては、本書に登場する人々はおおまかにいって、邪魔の入らない深夜に創造的な活動をする人と、頭の冴えている午前中にやるという人に分かれるようだ。
(中略)
気分転換や創造的刺激となる日課としては散歩をあげる人が多く、水泳、ランニングなどのスポーツ、入浴などがそれに続く。

クリエイターたちは、誰かに邪魔されることをいやがって、早朝からコーヒーを飲みながら一気に仕事をして、午後はゆったりするという方が多かったように思えます。そして散歩、散歩、散歩。とにかく散歩をしている人が多い。小一時間の人もいれば毎日2~3時間、町や湖を巡るのです。クリエイティブなことを引き出すために散歩が必要だというのを、時代も場所も違う人たちが日課にしているのが大変面白いのです。

一方で不眠に悩まされ、お酒や薬の力を借りながら、破滅的な日々を送る人も多数。これも創造に不可欠だった方もいるのでしょうけど、健康とは対局の世界に生きていて、同情するというか、これもアーティストなのかと諦めるというか。

 

登場してくるのは1800年代や1900年代の方々が多いので、やたらと手紙を書いたり、原稿は手書きやタイプライターだったり(自分で打たず、口述して代わりに打ってもらったり)という時代背景もあり、全編に渡りのんびりムードが漂っています。そういった時間の感覚だったからこそ生まれた芸術というのも多数あるのでしょう。

せわしない日々が続く現代ですが、この本で紹介されている偉人たちのように、少し心に余裕をもって人生を送りたいものだなとつくづく思いました。

天才たちの日課

天才たちの日課

 

 

*1:原題は "DAILY RITUALS: How Artists Work" です。「アーティストたちの日々の儀式」という感じですかね。