【書籍】「こころの価値を売る世界にただひとつだけの会社」を読んで。
2010年の著書です。
大量生産・大量消費時代が終わり、消費の志向がモノからサービス(ココロ)に移り変わった今、国内に根強く残るモノづくり信仰を改め、『ココロビジネス』を展開していく選択肢はいかが、という主旨でした。
働き方の事例として、モーハウス、六花亭製菓、パタゴニア、未来工業、日本理化学工業などが挙げられています。売上至上主義ではなく、自分たちがやりたいこと、やれることを仕事にすることで、ワーク・ライフ・バランスを実現する制度設計と運用ができていることが分かります。
企業活動の目的は利益の追求にあり、利益なくして企業の存続はありえないと理解していますが、そのために従業員を使い捨てにすることや、多様性を誤解し、旧態依然とした企業組織のままでいることは、時代遅れであり持続可能性の低い経営であることを理解しました。
著者は次のように説きます。
- 世の中には、戦うことを志向する肉食系企業と支え合うことを志向する草食系企業がある
- 肉食系社員はお金や出世を追求し、草食系社員はココロの豊かさを追求する
- メガ・コンペティションの時代に生き残るのは、肉食系企業ではなく草食系企業である。
旧来型の肉食系ではない働き方があることを説明しており、その通りと思います。ただ、私なりには、肉食系は肉食系として、草食系は草食系として、それぞれエコシステムの構成要素と理解しており、結局は極端に肉食系や草食系に偏らないようにするのが大事だよね、と理解しております。
若干古い著作ですので、現在IT技術を持ち込んだ時に、草食系企業がどう変化するのか考察してみると面白そうです。
こころの価値を売る世界にただひとつだけの会社 (洋泉社BIZ)
- 作者: 小屋知幸
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2010/02/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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