【書籍】「目に見える世界は幻想か? 物理学の思考」を読んで。
物理学という学問に縁のなかった人に向けて書いたという入門書です。できるだけ数式を排し、言葉だけで表現することを心がけて下さっています。
著書は、そもそもの物理学の目的から、時代とともに変わっていく各種理論、研究者たちの偉業や苦悩、微小な世界から量子力学、時間と空間、重力、クォークと進み…ああ!ごめんなさい!もう勘弁して!
そう、物理学という学問に縁のなかった人です。とはいえ、せっかく学んでみようと借りてきた本ですからね。最後まで頑張って読みました。
一般相対性理論、量子力学など。ここに至るまでにどれだけの苦労があったのか。学者の方々には頭が下がる思いです。一方、人類には解明できていない現象も多く、今後の研究次第で過去の研究成果が覆ってしまうかも知れない危うさ。そして、宇宙誕生の謎など。
わたしや子孫が生きている間に解明できるのかどうかあやしいものですが、ぜひ研究を続けていただき、新しい世界をみせて欲しいものです。
ところで、
エヴァレットの解釈は、人間が観測すると、そのあり得る結果の数だけ、別々の結果を見ている観測者が現れてしまうことを意味する。これは人間が観測するたびに世界が分裂するとも解釈できる。世界がたくさんあるという意味で、「多世界解釈」と呼ばれている。
物理学の本なのに、こんなオカルトめいた話まで出てくるなんて!(失礼)
楽しく読ませてもらいました。
【書籍】「東大卒貧困ワーカー」を読んで。
大阪の毎日放送でアナウンサーとして勤務していた筆者が、身内の介護を契機に、取材と実益を兼ねて非正規雇用の現場に労働者として立ち、生々しい現実をルポします。
日本の会社で、非正規雇用だからといってこんな酷い扱いをされる人間がいるのか、と落胆しながら読了しました。「多様性」という言葉なんてどこ吹く風。一体どの国のいつの時代の話だよと突っ込みたい、ひどい世界があることを、筆者がリアルに紹介します。
年金、医療費、生活保護、介護など…。このような労働環境を野放しにした先には地獄しかありません。正規雇用だからと安穏とし、非正規雇用を冷遇しているような人も、明日には立場が変わる可能性があるのが今の社会というものです。自分の地位を守るがために他人を蹴落とすことが、長期的な観点で自分自身にとって有益なのか。生きる目的を見誤ってはいないか。そう問いかけられたと感じます。
筆者は最後にこう締めくくります。
階層性の修正による底辺の労働者の地位の底上げ。それによって経営者と正規、正規と非正規、非正規同士の人間関係を健全化できるだろう。よそよそしく冷え切った職場に暖かい風を吹かせて活性化すれば、いずれ個々人の持つ力量が花開いていくに違いない。
リアルな描写は、これ日本の話じゃないよね、という強い不快感を与えます。このような現場をわたしは見たことはないのですが、現実とすれば、環境をなんとか変えていかないといけません。ショッキングな内容でした。
【書籍】「フリー <無料>からお金を生みだす新戦略」を読んで。
二一世紀の無料(フリー)は二〇世紀のそれとは違う。アトム(原子)からビット(情報)に移行するどこかで、私たちが理解していたはずの現象も変質したのだ。「フリー」は言葉の意味そのままに「無料で自由」であることとなった。
「アトム(原子)からビット(情報)に移行」。このくだりが大好きなのです。
2009年の本著では、IT技術の飛躍的な革新により、モノの価値を図る概念の変化が起きた結果、経済活動(”稀少な資源をめぐる選択“と呼べる)の在り方を変える必要性を説きます。
巻末付録では、フリービジネスを以下の3つに大別し、50個の例を挙げています。
- フリーその1。直接的内部相互補助(例えば、製品は無料・サービスは有料。その逆も然り。サンプル配布、駐車無料など)
- フリーその2。三者間市場あるいは市場の“二面性”(ある顧客グループが別の顧客グループの費用を補う)
- フリーその3。フリーミアム(一部の有料顧客が他の顧客の無料分を負担する)
また「無料のルール」として、以下10個の原則にまとめています。
- デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる
- アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
- フリーは止まらない
- フリーからもお金儲けはできる
- 市場を再評価する
- ゼロにする
- 遅かれ早かれフリーと競いあうことになる
- ムダを受け入れよう
- フリーは別のものの価値を高める
- 稀少なものではなく、潤沢なものを管理しよう
顧客からお金や時間を確保するために、古典的な広告収入やキックバック、無料サンプル、アイテム課金などあらゆるビジネススキームが開発され、我々の生活に浸透している事実を再認識しました。
一つ一つのビジネスがどう成り立っているか図式化すると、なるほどこんな方法で儲けることができるのか、と驚くものが多くあります。柔軟で、目先のキャッシュにとらわれない思考が求められますね。豊富な資源によりリスクが低下されている現実を再認識し、まず挑戦してみて早めに失敗してみることが重要ですね。
- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ハードカバー
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サンシェードを導入してみた。目隠しにもなってなかなか良さげ、なブログ
ここのところ、本を読んだ感想ばかりアップしているので、そういうブログなのかなと思われた方もいるかも知れませんが、そうではありません。
読書する時間は増える一方、加齢とともに記憶力が減り続けているので、ブログに記録しておかないと読んだことすら忘れてしまうという・・・40過ぎのおっさんです。
さて、毎年この季節になると、我が家の東側の窓は、太陽光線をまともに受けてしまい、重いカーテンを閉じておかないととても眩しく、そして暑くて大変なのです。
そこでサンシェードを取り付けてみました。いつかはと思い続け、引っ越し4年目にしてようやく、なのです。
おお。太陽の光が和らいでくれて、朝の時間がとても快適に過ごせる!
そして副次的に、隣にあるアパートからの目線も遮ることができてちょっとうれしい!
今シーズンは快適に過ごすことができるかな。
【書籍】「1440分の使い方」を読んで
読書やスポーツ、家族との団欒に使える「自由な時間」が毎日あと1時間、手に入るとしたら? 起業家、億万長者、オリンピック選手、オールAの学生たち288人への独自の取材と調査研究によって明らかになった、生産性向上の秘訣とは?
いわゆる時間管理の自己啓発本です。このテーマの本は山のようにあって、私も何冊も読んできました。この本で特徴的だなと感じたのは以下の点です。
- 「1440」という数字に注目。1日は1440分しかない。どこかに貼っておけ。
- ToDoリストは作るな。やることはスケジュールに書き込め。
- 1日3回(朝・昼・晩)だけメールを処理しろ。処理時間は21分(集中できるから)、受信ボックスのメールを0にする。※これを3210方式と呼ぶこととする。
- 「一度しか触らない」。可能な限りその場ですぐに対処する。
ほか、会議を減らす方法、「ノー」と言うこと、パレートの法則、人に任せる、朝の時間を有効に使う、よく眠れよく休めとか。よく目にする内容も多いですが、そのあたりは再確認の意味も込めて、サッと読んでしまっていかも知れませんね。
冒頭のスピード違反のエピソードが印象的です。私にも似たような経験がありまして。車の運転中にいわゆる「右直事故(こちら右折、先方直進)」の危機に2日連続であったのです。いつも通る道なので油断していたのか、ぼんやりしていたのか。見ているようで見ていない。
これは別の機会にブログに書くのでしょうけど、当時は仕事でやることがたくさん。眠る時間もほとんど取れず、常に考え事をしながら運転していたものですから、その危機も当然だったかも知れません。事故にならなかったのが幸運と言えます。
1日=1440分を合理的、効率的に使うことを意識するべく、とりあえずキーボードのところにでも貼っておこうかな。購入者特典*1で、綺麗にまとまったPDFがダウンロード可能です。そちらを利用しても良いかと存じます。